1.設立趣意

2007年7月28日

「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク、発足と参加の呼びかけ

私たちは、六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の本格稼動に反対します!

~ 豊かな自然、食べ物、そして生命を守る運動を呼びかけます ~

青森県六ヶ所村にある「六ヶ所再処理工場」は、日本国内の各原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料から、燃え残りのウランとプルトニウムを取り出す化学工場です。その本格稼動が、今年の11月にも始まろうとしています。私たちは、この「六ヶ所再処理工場」の本格稼動に反対し、その中止を求めます。

「六ヶ所再処理工場」は、本格稼動時、民生用では世界最大規模となる年間800トンもの使用済み核燃料を処理し、その過程で、大気中や海中に大量の放射能を放出します。放射能は、工場敷地内の排気塔から空に、沖合3km地点までひかれた放水管から海に放出されます。大気中には、クリプトン85(半減期10.76年) 、トリチウム(半減期12年)、炭素14(半減期5730年) 、ヨウ素129(半減期1570万年)、ヨウ素131(半減期8日) などの放射能が、海中には、トリチウム 、ヨウ素129、ヨウ素131など、多種類の放射能を一挙に放出します。

しかも、「原子力発電所が1年間で排出する量」に匹敵する膨大な放射能をたった1日で放出し、それを本格稼動の予定年数とされる40年もの間、放出し続けることになります。放出された放射能は消えることなく空と海の両方にひろがり、東北地方はもとより東日本全域が、放射能汚染の直接的な脅威と恐怖にさらされます。放射能はプランクトンや魚、植物等によって生体濃縮され、人間が食べ物から摂取した際には数万倍から数100万倍の濃度になると予想され、実際に再処理工場が稼動しているイギリスやフランスでも放射能の海洋汚染が大きな問題になっています。

放射能汚染は、自然環境とあらゆる生物に深刻な打撃を与えます。その脅威と恐怖は現地の人びとだけの問題ではなく、豊かな農畜水産物の恵みをうけてきた私たち全体の問題です。私たちは、放射能汚染という負の遺産を将来に残さず、これからも安心して国産の農産物、畜産物、海産物を食べ続けたいのです。

すでに沿岸の自治体では、海への放射能放出を規制する法律制定を求める請願を採択するなどの動きが出ており、全国各地で中止を求めるさまざまな取り組みが展開されています。私たちもまた、「六ヶ所再処理工場」による放射能汚染を阻止することを目的とし、生産者と連携し、本格稼動の中止を強く求めていきます。

この目的を実現させるために、

1)私たちは、放射能汚染による風評被害や実被害を発生させないように行動する決意を表明します。

2)私たちは、自主的に放射能汚染を監視し、自然環境や第一次産業を守り育てることを宣言します。

3)私たちは、生産者と連携し、産地と消費者をつなげ続けていくことを宣言します。

4)私たちは、「六ヶ所再処理工場」による空と海の放射能汚染に反対し、豊かな自然環境と生命と食べ物を守る運動の大きなうねりを、ともに創ることを呼びかけます。

2007年7月28日

「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク

呼びかけ団体 生活協同組合あいコープみやぎ

生活協同組合連合会きらり

生活協同組合連合会グリーンコープ連合

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

大地を守る会

特定非営利活動法人 日本消費者連盟

その後、2007年11月、パルシステム生活協同組合連合会が、呼びかけ団体に加わった。

また、2010年7月、生活協同組合連合会きらりが活動休止になったため(きらりの二つの会員生協は生活クラブ連合会に加入し阻止ネット参加を継続している)、呼びかけ団体は6になった。

連絡先:特定非営利活動法人 日本消費者連盟

住所:〒162-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207 ホームページ:http://nishoren.net/

TEL:03(5155)4765 FAX:03(5155)4767

「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク

脱原発宣言・・・脱原発を実現し、エネルギー政策を転換しよう!

私たちは、放射能汚染を防ぐためには、原発を含む核燃料サイクル全体の問題を捉えなければならないと考えていましたが、六ヶ所再処理工場が運転されたなら原発とは桁違いの放射能を環境に放出することを知り、目前に迫る六ヶ所再処理工場の本格稼動を止めさせることを最優先課題として、キックオフから4年間、共に活動してきました。

しかし、3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により深刻な放射能汚染が起こってしまい、これまでの活動のままでは放射能汚染を阻止できないことが明白になりました。福島原発周辺の11万という人々の生活基盤が根こそぎ奪われ、さらに多くの人々が被曝の恐怖に日々晒されながら暮らしています。野菜、原乳、魚など食品からも放射性物質が検出され、東北をはじめ広範囲の多くの生産者が風評被害と実被害に苦しんでいます。

キックオフ集会で確認した、放射能汚染の「脅威と恐怖は現地の人びとだけの問題ではなく、豊かな農畜水産物の恵みをうけてきた私たち全体の問題」が、まさに現実になってしまったのです。

私たちは痛恨の思いで放射能汚染の現実を見据え、このような悲惨な原発事故を絶対に二度と繰り返さないために、「脱原発」を阻止ネットの活動目的としてはっきりと掲げます。地震・津波による危険性も訴えて「ストップ再処理」を継続し、再生可能エネルギーへの転換を図ること、原発と核燃料サイクルは不要であることを、明確に打ち出します。

あまりにも多くの犠牲が払われましたが、今ようやく、脱原発とエネルギー政策の転換を求める声が大きな社会的うねりとなっています。このうねりをさらに大きく確実なものにし脱原発を実現するために、多くの市民、市民団体、そして生産者と連帯・協力していきます。再処理工場と全ての原発を止めるまで、共に活動していきましょう。

2011年7月8日

「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク 呼びかけ団体